弁護士による相続相談【弁護士法人心 千葉法律事務所】

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遺産分割の方法にはどのようなものがありますか?

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2024年10月4日

1 遺産分割手続きの流れについて

相続が発生した場合、被相続人の遺産は、一旦は相続人全員の共有となります。

そのため、この遺産を、誰に、どのように帰属させるかを確定する必要があります。

このための手続きが、遺産分割です。

遺産分割について、亡くなった方が遺言を残しており、遺言が有効なものである場合には、その遺言に従って分割をすることになります。

遺言が残されていなかったり、遺言が法律上有効ではなかったりした場合には、まずは相続人間で協議を行い、分割方法について話合うことによって合意を図ることになります。

相続人間の話合いでは分割について合意が得られなかった場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てることになります。

調停とは、家庭裁判所において、裁判官や調停委員という第三者を介して行う話合いのことです。

調停の場でも合意が得られなかった場合には、遺産分割審判という手続きに移行します。

審判では、家庭裁判所が遺産分割の方法を定めます。

以上のように、遺言があるかどうか、話合いで合意ができるかどうかなどの事情によって、遺産分割の流れは変わってきます。

2 遺産分割の具体的な方法について

遺産を分割するといっても、遺産の中には現金や預貯金だけでなく、不動産や有価証券など、様々な財産があります。

これらの遺産をどのように分けるかについては、大きく分けて3つの方法があります。

それは、①現物分割、②代償分割、③換価分割です。

3 現物分割

1つ目の現物分割とは、文字通り、遺産を現物のまま、相続人間で分けるものです。

この土地についてはAさんに、この土地についてはBさんに、この現金についてはCさんにといったように、物ごとに、誰にその財産を帰属させるのかを決めていきます。

非常に分かりやすい分割方法ではありますが、Aさんの不動産は高価なものなのに、Bさんの不動産はあまり高くないものだったなど、この方法だけでは、それぞれの相続分通りに分割することが難しくなることがあります。

4 代償分割

2つ目の方法は、代償分割です。

代償分割は、ある相続人が相続分を超える財産を取得する代わりに、取得の代償として、他の相続人への金銭の支払義務を負わせることで、その差額を調整するものです。

例えば、相続人AさんとBさんの2人で、500万円の不動産と100万円の預貯金を分割するとします。

この場合、Aさんが不動産を取得すると、Bさんとしては、100万円の預貯金を取得するしかなくなってしまいますが、これでは2人が取得する遺産の額に400万円の差が生じてしまいます。

そこで、Aさんは、Bさんに対し、500万円の不動産を取得する代償として200万円の金銭をBさんに支払う、という形で分割をすれば、二人とも300万円相当の財産を取得したといえます。

このような分割方法が、代償分割です。

5 換価分割

3つ目は、換価分割です。

換価分割は、遺産を一度売却してお金に換えた上で、そのお金を分割するものです。

現物分割では相続分に従った分割をすることが難しいという場合で、不動産を取得したいという相続人もいないような場合には、換価分割によって、しっかりと相続分に従った分割をすることもできます。

6 どの方法で分割するべきか

遺産分割は、遺言がある場合以外では、相続人間の協議で分割方法を定めていくことになります。

この場合、上記のどれか1つの方法によらなければならないというわけではありません。

むしろ、不動産が欲しいという相続人がいたり、不動産はいらないけど相続分に従ってきっちり分割したいという相続人がいたりするため、上記の方法を組み合わせ、様々なパターンを考えながら、それぞれの相続人が納得できるような分割方法を検討することになります。

とはいえ、相続人の全員が納得する案を出すのは容易ではありません。

遺産分割協議がうまくいかない場合には、弁護士へのご相談もご検討いただければと思います。

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